彼方から見ていた瞳が飽和し、今日一つとなる。青い空が、この昏い地表に降り注ぐのだ。真闇と閃光の空が、青くなり、赤くなり、一つになる。絶望も希望もなかった。ここに流刑されてから、生殺しの日々だった。それも今日で仕舞いだ。やっと帰れる。今日は、地球墜落記念日。 #同題SS

ただ空漠だけが流れて白く 拡散の中で戯れに没するを願うも 有得べき姿の追走に怯え 果たさねばならぬ務めに戸惑う 課せられた役務は白痴に重く 要らぬ要らぬ去ねよと響く 藻掻き悶えは一切の結果を生まず 以て塵芥なるは汝の責なりと苛む何一つ出来ぬは吾の…

失って

失って... 失って...いく...こぼれ落ちる 消えてなくなり 寒い虚無が残る柔らかな光は遥か遠く 凍てつく死の刃に乗せられて遠ざかる 虚無の海へ 何もない場所へ

この街は 凍っている弱々しい光の向こうに がらくたばかり納められた納戸が 顔をのぞかせ そのまた向こうに 枯れ枝がのぞいている駅の改札には 誰ひとりいないここは とても暖かい。

ならば

できることを増やせばいい

ぼくがしぬまでに

ぼくがしぬまでに いったいなにができただろう いったい なにができたろう しあわせをおいもとめてはいけない ひとはしあわせでなければならないのだ はんだんをあやまったとか するべきことをしなかったとか そういうはなしではもうないのだ ひゃっぺんうま…

夢を見ないか

今なら君は夢の地平に立っている。 手をのばせばそこに届く。 誰の力も借りるな 甘言には耳を貸すな まっすぐに足元と目の前を見て そこに手を伸ばすんだ 足元の大穴は すでに塞げるだろう? そのための力は いままでに積んだだろう?

何もかも

練り上げて 締め上げて 打ち砕く何もかも 何もかも何のために? 星を見失った梟は翼を手折ったそのまま焼かれ、粉になったのだそこには絶望と甘えが同居していた未来を奪われた亡霊が絡みついていた何も変わりはしなかったのだ。

知ったふりして歌うな

ありふれた語句共が 湧き上がる泥土のように 喉の奥に絡まりつく知ったふりして歌うな!鬼の息を 喪ったお前が! 限りない憎悪と 行き場のない怒りと 全てに対する嘲りを抱えきれずに投げ出した 背負いきれずに打ち捨てた その絞り滓が崇高を騙るな 知ったふ…

遥かな無は 遠く 落ち行くべき空は 消え 今はこんなに近い 曇天 焼けつくような 空蝉の海 もがくことさえ 忘れ去り何をしている? 硝子のキャンディを口に含み 泥の靴で澄まして昼に尚暗い この鉄塊の中で 詩おうと?

凍った空気が嗅ぎたい

凍った空気が嗅ぎたい モノクロームの光彩の中の コンクリートとガラスと鉄で出来た 凍った太陽が容赦なく照らす 写真の中の風景 凍った空気が嗅ぎたい 狭道を抜ける風音と そこに反響する滴の音が ただ占める唯一の刺激であるような場所の 解放し 閉じ込め …

銀の海

夜が待てない いつもあいたい銀の海の浅瀬に踊る 白いワンピイスを来たあなた友達のように優しく 恋人のように懐かしく あなたと舞うステップ遠浅の砂浜 銀の月 碧のきらめき それは微かな記憶に夢見た記憶夜まで待てない いますぐあいたい銀の髪のあなた 銀…

Tangel

その全てが虚しくても意味付けても、それが掻き消えても 今ここに魂のようなものがあることは否定できない存在を作り出す存在を否定するそのチカラがここに存在する 死が世界をかき消すまで

掴むように

閃光のように?いや暗黒のように儚くも永遠に 針の夢全ては転じて裏返るまで

大空からの 繰り返し 繰り返し 押しとどめようとする繰り返し 繰り返し 防ごうとする死への失墜 解放への拒絶空の感触 物理的な抵抗何度同じ道を来た? 何度同じ死に方を辿った?朱の太陽を求めて? 限りない一瞬を欲して?この、限りなく支えられているとい…

空が晴れた時 君は全てを忘れているだろう。 それでも 僕は君の手を取らずにはいられなかったのだ。 走りだす 君を引き 稲妻の雨 駆け抜けて 列柱の森 抜けていく そこから その死の迷宮から 幼子を 泣き叫んでいる幼子を 無力なるみどり児を いたのだ 確か…

No one have Wing

足首をゆっくりと 折っていこう どうしてこんなものを大切にしていたのか 暗い情欲? 届かぬための憧れ? 笑い飛ばして言う お前は狂っていたのだ 今は何もかも冷静で バレエ・シュウズが赤く見えるほど 眼に血がたまっていくのが分かる。

no follow

音の無いひび割れた小道夜闇の彼方に舞う眼窩の無い天使朱羽がコンクリートに道しるべのように終焉へと歩いていくこの先には何も無いコーラスは歌う終焉のシンフォニア行こうこの先へ闇の奥へ何もない場所へ