各体制の統治・自己管理形態

秩序にして善
食料:共同体は協力して事にあたり、しばしば上手く物事をやりおおせる。互いに我欲は薄く、他人に利益を供給しあう。
秩序の共同体は最も生産性の高い大規模農業に非常に向いている。そして、個々が弱小であっても、共同して危難を乗り越えることができる。しかし、このような共同体は例外なく悪の侵食に弱い。
善の属性は人々を大規模狩猟には向かわせない。少数ながら小規模狩猟民の場合が存在し、そのような団体は強固な結束でもって他の団体を圧倒する。しかし、そのような場合、個々の能力に依存する割合の高さから、性質は次第に混沌に向かいやすい。
資源:資源の採掘は共同体でないと行いにくい。そのため、秩序にして善は往々にして高い資源の生産能力を誇る。ただし、資源は労働の稼働力によって生み出されるため、より強制的な大規模資源採掘に比べると効率が落ちる傾向にある。
交易:交易品の生産能力は非常に高いが、交易そのものの交渉が非常に不得手である。相手が自分と同じ土俵に立ち、相手を信用して行われるのが秩序にして善の交易だからだ。そういうわけで、より他の属性に比べると交易は不得手である。

秩序にして中立

食料:共同体は利害関係から結束し、共同して事にあたる。我欲は有り諍いも起きるが、勢力は最善の状態で拮抗している。
農業に向いている。利害関係から、それが小規模の場合もあれば、大規模の場合もある。
狩猟を行うことは少ないが、漁は好んでおこなう。同じ船、あるいは船団の漁師同士は結束が固いが、異なる相手に対しては反目を抱きやすい。
資源:資源の採掘に結束は非常に重要である。そのため、採掘能力は平均以上である。ただし、伐採や採掘のような長時間続く重労働は目的意識が明確でないと行いにくい。そのため、他の秩序の属性に比べると採掘能力は劣る。
交易:交易の生産能力は並だが、規律を駆使した交易強制力により、大抵の場合交易は安定化する。ただし、爆発的な利益も望めないという欠点もある。往々にして、自ら作った規制のためなかなか規制の改革に手を出せないことがある。

秩序にして悪

食料:共同体は圧制により労働に従事させられる。生産力はかなり高いが、生産者の士気はかなり低いことが多い。場合によっては奴隷を用いることもでき、的確に指示しさえすれば、全体の士気を下げずに生産を続行できる。ただし、防衛力に自軍の労力を割く必要性がある。
 大規模な狩猟/略奪組織も強固である。時に戦争という形を取るこの略奪は、悪の帝国に莫大な利益を供給する。ただし、その際リスクとして支払う資力もまた膨大である。
資源:資源の採掘もまた強制が容易な労働である。監督者と防衛力にかなりの人員が割かれるが、士気低下を恐れないならばかなりの生産力を発揮させることができる。
交易:士気の影響しやすい交易品の生産能力は低いが、相手を自分の土俵に巻き込む交易は(特に軍事的な圧迫が有効な場合は)得意とするところである。ただし、相手も用心をしてかかるため、爆発的な利益は出にくい。また、交易の一種として処理される貢物も秩序にして悪の国の貴重な収入源である。

中立にして善

食料:互いに利益を与え合う性質は農業には適している。また、小規模の狩猟にもその気質は適している。中立にして善の団体は利益を追い求めるよりも、自給自足的な生活を追及し、生産性を重視しないことが多い。
資源:資源は自分達が必要なだけ獲得しようとする向きがあるため、あまりその生産は盛んではない。ただし、善なる目的に燃える団体などは別である。こうした団体の資源採掘能力は動機がはっきりしているだけに、凄まじい。
交易:中道にとどまる中立にして善の団体は交易を好むが、得意とはいいがたい。その拠り所の無さ
からつけこまれやすいからだ。ただし、交易品の生産に関してはかなり得意としている。

真なる中立

食料:真なる中立の団体は通常自分達の利益に忠実に生きるため、食料生産は特に不得手としていない。狩猟もそこそこやり遂げるし、農業・漁業も着実にこなす。しかし、特に何に向いているわけでもない。
資源: 資源生産に関しても食料供給と同じことが言える。
交易: 交易は特に真なる中立の得意とするところである。というのも、どのような相手の土俵にも立つことができるから。交易品の生産にも不自由しない。

中立にして悪

食料:中立にして悪の団体は食料自給が不得手である。共同作業が得意でなく、他人に利益をもたらすのもいやがるのでは仕方ない。小規模の狩猟ならその能力を発揮し、互いに潰しあうこともない。また、圧制により他人にこれをやらせるのも得意である。略奪という名の食料供給は最も得意とするところだ。
資源:資源生産につきものの重労働は自ら望んでしない。そのため、ふつう資源の生産力は低い。ただし、これも他人にやらせるのは得意なところであり、極めて低いという話も聞かない。
交易:交易品の生産は不得手である。交易に関しては、秩序の相手も混沌の相手も騙すことができ、またその領分を侵食していくことができるため、かなり得意ではある。

混沌にして善

食料:混沌にして善の団体は個々を重視して共同作業を嫌い、また過剰に他から搾取することも嫌うため、個人操業の自給自足形態に陥りがちである。小規模の狩猟採集や小規模の漁業・農業は気晴らしのために喜んでやる。
資源:資源生産につきものの重労働は自ら望んでしない。例外は自らや親しい相手が必要な量を掘り出す場合のみである。こういった品はもっぱら交易によって手に入れる。
交易:個人の力量が生かされる交易品の生産は混沌にして善の得意とするところである。高品位で希少な品物を市場に流すことで、彼らは生活に必要なものを手に入れる。こういった市場が他の中立や悪の団体に侵食されることも多い。

混沌にして中立

食料:混沌にして中立の団体は漁業は進んで行うが、農業にはあまり力を入れていないことが多い。個人の英雄性が引き立つ狩猟こそが、彼らの血を最も沸き立たせるものである。こうした狩猟団はかなりの防衛・進行能力を誇ることが多い。
資源:資源生産は必要な場合だけ行う。
交易:個人の能力が生かされる交易品の作成は得意だが、交易の手腕自体は優れているとはいいがたく、その武力を背景に略奪を行い直接収入の手段としている場合も多い。ただ、いたずらな略奪は彼らの英雄性を損なうため、自重することが多い。

混沌にして悪

食料:混沌にして悪は団体を形成しにくいが、形成したとしても良くて狩猟採集しかしない。土にまみれるのは下民のすることで、力あるものがそれを奪うのは正当なことだと考えている。勿論、力弱いものをいたぶって農作物を作らせることは良いことだ。
資源:資源は下民がかき集める。力あるものはそれを奪えば良い。
交易:力をもって下民に詰め寄れば、貢物がやって来る。