1-01-01から1年間の記事一覧

ソール・クリプキ『名指しと必然性』第三講義前半 レジュメ 著作権はwoddにあります。 性質と名前の関係の必然性 第二講義考察において、以下の内容の理解ができていなかった。第三講義においてこれついて詳しく触れられていたので、そこを中心に考察した。 …

ソール・クリプキ『名指しと必然性』第二講義 著作権はwoddにあります。 可能世界論を用いない群概念理論の検証 記述理論の代用案として、名前は記述の偽装された省略ではないが、記述が名前の指示を決定しているとする群概念理論がある。クリプキによれば、…

発表後のツッコミ

では、我々はどのように現実世界で物事を同定するのか。批判、ツッコミ待ってます。

第一講義の要点

記述理論においては名前は縮約されたまたは偽装された記述だとされたが、完全に同義なものばかりなのではなく、指示を固定するにとどまり、それ故記述に多少変更を施してもなお同一固有名と捉えうるものが存在することを指摘している。有力な記述群概念理論…

意味の理論と指示の理論

記述理論に関する見解は名前の意味の理論とも名前の指示の理論とも取れる。長さを操作的概念と考えない時、メートル原器と1メートルとの関係性についてはどう考えれば良いか。メートル原器である棒Sは長さの基準であるから長さを持たせることはできないと…

世界交差同定(Transworld identify)の問題について(※)

特定の「A」についての言明はより基本的な個体についての言明で還元可能な場合があるから、そのような場合はより基本的な個体にとっての諸可能世界を通じて、同一性の基準を求めることはできる。 しかし、そうする必要はないし、「究極的」「基本的」な個体…

なぜ可能世界論を用いるのか

注(15)において、そうする必要はない、と彼は触れている。むしろ、可能世界論の「誤用」について考えるためにこの考えを持ち出しているのではないか。

個体名と固有名

前回、個体名という言葉を勝手に持ち出していたが、名前・名指しについての表現の正確性を増すため、固有名での例示については、これを「A」という風に略記する。

レジュメ2

ソール・クリプキ『名指しと必然性』第一講義後半 著作権はwoddにあります。

発表後の指摘

denotationは脱概念化、connotationは内概念化を指す言葉であって、通常哲学では外延、内包という言葉で表記される。区別を明確にせよ。ミルの原典に当たってみよ。 Aquaintanceという言葉は直知と訳すのが正しい。認識に至っていない。また、"これ""あれ""…

固定指示詞と偶然指示詞

「諸可能世界にまたがる同一性」を表現する言葉を指定するため、あらゆる可能世界で同じ対象を指示する術語を固定指示詞(rigid designator)、それ以外を偶然指示詞(accidental designator)と名づける。対象がすべての可能世界にある必要はないが、必然的存在…

可能世界と記述

可能世界はどこか遠くに存在すると考えられるものではなく、記述的条件によって与えられる。可能世界とは発見されるものではなく、約定されるものである。特定の個体Aに対して反事実的な仮定を行う時(つまりそのような可能世界を考える時)、”彼に対して”あ…

事象(de re )様相と言表(de dicto)様相

二者の区別が問題となり、また必然性と偶然性の峻別そのものが問題とされてきたが、問題となり得るのは言明もしくは事態のみである。この必然性は記述に拠り、記述によって指示される対象は違うとする議論がある。また、必然的性質と偶然的性質の判定は、全…

アプリオリ・分析的・必然的という言葉についての考察

カントの規定によれば、アプリオリとは如何なる経験にも依拠せずに知り得るものなので、既に知っているものではない。アプリオリな真理は経験によっても知る得る可能性がある。よって、アプリオリであることは必然的ではない。 また、必然的という言葉に関す…

名前と記述との関係

名前は固有名を指すものを意味することとする。確定記述は固有名に含めないものとする。名前と確定記述の両方を含んだ共通の述語には指示詞という言葉を使うこととする。 話し手は特定の確定記述を用いて、論理学者の言う意味での確定記述の対象でない指示対…

レジュメ1

ソール・クリプキ『名指しと必然性』第一講義前半 レジュメ 著作権はwoddにあります。