冒険という視点

GMが用意するのは、PCが活躍する劇場の台本ではない。
目の前に、秘境の谷、恐るべき悪、陰惨な試練を与えるのみである。
それはストーリーメーカーとしては貧弱だろう。そこにはただ一つのサイコロがあるのみだ。
サイコロの一振り。それが、キャラクターの命運を分かつ運命の鍵。
運命の鍵にやすりをあて、僕らは鍵を変形させる。それが知恵のゲームだ。
運命の鍵を使う扉を選択し、僕らは鍵の使い道を定める。それが知恵のゲームだ。
僕らはゲームをしているんだ。ただ、楽しみたいがために。
冒険したいがために。

バラバラな事態が連続したって意味をなさないのじゃないか?
…事態は常にバラバラだ。そこに法則性を見出すのが、小賢しい人間の知恵というものだ。