「・・・それでもやはり多くの人はかかわりの中でしか生きていけない。表現することが既に自分という他者に対する自らの表れだ。他者意識というものが、多くの意味で、文化的人間特性を担っている。
 こうやって文字を使うことそのものが、自分という肉体に限定された複数の意識の交流なのだ。
 果たして君は自分を定義することができるか?
 「他のものではない何か」としかいい得ないのではないか?
 「自分らしさ」に関しては古来多くの賢者達が語ってきた。MyselfNESS。それはどこから来る?
 世界はかかわりの中にしか存在しない。かかわりを見出せない者の前では世界は断片的な現象に過ぎない。
 言い換えれば「文化的」人は物語の中にしか生き得ないのだ。その空虚な物語の中で、誰もが必死にあがいているのさ。
 自分が作り出した・・・自分らしさ、を、自分の中に求めようとしてね。
 自分らしさ? そんなものがあるか?
 ああ、確かにあるかもしれないな。それは常に外的にしか言明されないとして、の話だがね!
 「でも私には、あなたと私の違いが分かるわ」